Archive for 2007/5/28 月曜日
300日問題 続き
先日、300日問題について書きました。(こちら)
ちなみに、この問題になっている民法の条文を書きますと、
民法 第772条(嫡出の推定)
妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2)婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消もしくは取り消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
なぜ、このような推定規定が置かれているのでしょうか。
それは、推定が働かなかったらどうなるかを考えればわかります。推定がはたらかないと・・・
もし妻が出産した子が夫の子か否かという争いになったとき、夫は自分が子の親であることを証明しなければなりません。
また、夫が「それは俺の子供じゃない」と言い張った時、夫に「実の子供ではない」ことの証明が不要になり子供の権利、福祉はないがしろにされることになります。
それらを「推定する」とする一文で、うまく収めているのです。
私は、今回の特例には好意的な考えです。元々、法律の改正などではなく、戸籍事務の取扱いを少し変えるだけで片がつくと思っていましたので、まさにその通りの特例でした。
ところで、300日以内に出産したケースでは9割がたが「婚姻中の妊娠」だそうです。そのため今回の特例では不十分であるという意見が新聞、ニュースで取り立たされています。
たしかに「嫡出否認の訴え」は前夫が起こすしかありませんので、そこは考えなければいけないと思います。
しかし、「前夫の子供じゃないのに、前夫の戸籍に一度でも入るのはいや」という意見は、どうも我侭にしか思えず、つい冷ややかな目で見てしまいます。
(同情するケースもありますが、「夫の子と推定されない」事と天秤にかければやはり同意することはできません)
私案ですが、前夫が嫡出否認の訴えに消極的な場合やDV等で関わり合いたくない場合には、実の父親のDNA鑑定等を添えることで、嫡出の推定を覆すことができるような取扱いにすればどうでしょうか。(この場合、子供は前夫の籍に一度入ることが前提になります)
要は「親子関係不存在の訴え」の機能を向上させかつ簡易化するだけの話になるので、現実的だと思うのですが。